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 マカオ
DTIブログにようこそ!
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かごめ かごめ
かごの中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に ツルとカメがすべった
後ろの正面 だぁれ?
大きな屋敷の縁側で、かごめかごめを唄う女がいた。
女のいでたちはその豪勢な屋敷とは裏腹に、とても質素なものだった。
それにもう一つ、女には特筆すべき点があった。
それは妊婦であるということ。
もう出産までそう長くはないのだろう、女の腹はぷっくりと膨らんで、女はその腹を大事そうに撫でていた。
先ほどの唄も、腹の中の子供に聞かせていたのだ。
女は、子供の頃から、「かごめかごめ」の唄が好きだった。
女がこの唄を知ったのは、幼少の頃に泣き喚く女をその乳母がこの唄であやした時だった。
意味のわからない不思議な歌詞と、どこか間の抜けたような旋律。気がつくといつの間にやら女は泣き止んでいた。
それ以来「かごめかごめ」の唄は女の心に深く刻み込まれ、それが心の支えであるかのように、女は、いつも「かごめかごめ」を唄っていた。
時が経ち、美しくと成長した女は、ある男と恋に落ちる。
お互い一目惚れだった。
出合った一瞬でお互いが惹かれあうほど、運命的な出会いだった。
しかし、運命の歯車は二人が強く惹かれあえば強く惹かれあうほど、その軋みを大きくしていく。
運命的に、互いの人間的な本質のみに惹かれあった二人だったが、二人の距離が近づいていくうちに、互いの素性が明らかになる。
男は、近隣の大地主の跡継ぎだった。
古くは飛鳥時代から続く名家。社会的、政治的にも確固たる地位を持ち、領地の面積は邸宅だけで百間にも及ぶ。
地位によって束縛されるほどの、由緒正しき家柄。
それが二人にとって、どれほどの大きな壁になるか、想像に難くなかった。
それでも、二人は愛し合うことを止めなかった。
二人が出会ってから丁度一年後。男と女は、ついに結婚の許しを大名家に請った。
だが、かたや武家に区分されているとはいえ、お世辞にも名家とはいえない下級武家の女。
かたや国家有数の権力と領地を誇る、大名家の跡継ぎ。
身分違いの恋。当然反対する者は後を絶たなかった。
特に大名方のご隠居の反対は凄まじかった。一族の繁栄を考えると、どこの馬の骨とも知らぬ輩を正妻として招き入れるなど、有得ないからだ。
猛烈な反対があった。あわや一族が分断してしまうほどの騒ぎにもなった。
それでもまた、二人は諦めなかった。
男と女の間に生まれた感情に、他人の入り込める余地などありはしなかった。
ましてや政治的、周りの体裁しか考えぬ物言いなど、二人の心に響くことは無かった。
愛という、自らの信念を貫く二人の想いに、大名家の面々もついには根負けし、二人の結婚を認めたのだった。
ただ一人、ご隠居を除いて。
そして今、女は愛する人の子をその身にやどし、その邸宅で暮らしている。
今日も、空を見上げながら、腹中の子に呟く。
「今はまだ、周りの目や重圧が息苦しいだろうけど、もう少し我慢してね。」
女は、膨らんだ腹をさすりながら、優しく言葉を続ける。
「きっとご隠居様も、あなたが生まれれば考えを変えてくれる。」
女は、眩しいほどの笑みを浮かべて、縁側に座っていた。
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[2007/08/28/22:59][ ↑ ][ ↓ ]
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