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 マカオ
DTIブログにようこそ!
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(今回は真面目な小説です。グロテスク注意。)
(この話はフィクションです。実在の人物、団体、病気などとは一切関係ありません。)
●その後その病は爆発的に世界中に広まった。各国では早急に対策会議が行われ、各国の科学者や医者たちによってその病を「認死症」となづけられた。
ここで一旦話を変えるが、皆さんの近くに認知症患者はおられるだろうか。いるならきっと経験があるだろうし、いない人でもそれがどんなものか聞いたことはあるだろう。
その認知症患者は、食事後すぐに「ご飯はまだか」「お腹がすいた」などと訴えることがある。普通なら「さっき食べたでしょ」といなすだけだが、この呆けとは恐ろしいものではないかと思う。
ここからは推測でしかないが、彼らは《食事をしたこと》だけを忘れているわけではないのではないか。そう推測する理由は、「ご飯はまだか」というセリフはお腹が空いていないと言う訳がないからだ。老人なら食事の時間帯など大抵決まっているだろうに、見当違いな時間でも「ご飯はまだか」と尋ねる。
おそらく彼らは《食事をしたこと》と同時に《満腹感》をも忘れているのではないか。つまり、彼らの脳は胃や腸などの消化器官が活動していることを把握していない。だからこそ食後でも「ご飯はまだか」と食事を求める、過度の食欲があるのではないだろうか。
そして話はこの認死症にもどる。科学者たちの研究により、この認死症というものは精神、脳を麻痺させる奇病であり、人間の本能に《食欲の増加》と《共喰い》を強烈に刷り込ませる病という仮説がたった。よって感染者は我を忘れ獣のように周囲の人間を駆逐する。まるで認知症患者の過度の食欲のように、本能で同族の食事を求める。
感染者は人間特有の《感情からなる殺人》ではなく、本能のままに同族の《死》を、《認める》のだ。
俺は目の前の惨状に恐怖していた。思考回路はすでにショート寸前だ。エマージェンシー、システムオールレッド。
俺は、心の底から目の前の現実を否定したかった。
自販機でタバコを買った後、いつも通りタバコをふかしながら研究室にもどる廊下の途中、来るときは確かに存在しなかったものがそこにはあった。
真っ白の廊下に一人横たわる女性。
彼女は、胸元から大量の血を流していた。
タオルで止血、心臓マッサージ、人工呼吸。その場で思いつく限りの応急処置はすべて施したが、彼女が息を吹き返すことはなかった。死因は胸元の傷による失血死、あるいはその痛みによるショック死といったとこだろう。
俺の研究者の象徴たる白衣は、応急処置の返り血で真っ赤に染まった。法的に、生物学的にも彼女は「人間」ではなく「死体」へと成り果てた。
俺は自らの思考の矛先を目の前の状況への対応から、今後の自分の身の保全へと移行させる。
彼女の死に対して、「誰が殺したのか」「何故殺したのか」という疑問は甚だ重要じゃない。俺はそれを理解していた。俺は彼女の殺され方、この死に方を何度も見てきた。そう、彼女は認死症患者に《共喰い》されたのだ。
そして先述で犯人とその動機はどうでも良いと言ったが、ならば重要なことは何なのか。それは「認死症患者の存在」この一点だけだ。ここは厳重に警備されている施設であり、洗浄は徹底的に行われているはずである。だが、その中に認死症患者が確かにいるのだ。
朝、コーヒーもらった監視員は今どうなっているのだろう?もしかしたらもう彼女のように帰らぬ人となっているかもしれないし、あるいは彼こそが認死症患者なのかもしれない・・・。
ガターーーン!!!!!!!
突如巻き起こった轟音に肝を冷やす。
直後、最悪な事態が俺の頭に浮かぶ。もしかしたら、誰かが認死症患者に襲われているのかもしれない。
相考え付くと同時に、俺は轟音のあった方へと走り出した。
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[2007/05/15/00:08][ ↑ ][ ↓ ]
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